患者さん目線のオンライン診療で、睡眠医療の敷居を下げる。睡眠医療×ITの取り組みと展望

国家公務員共済組合連合会 虎の門病院
睡眠呼吸器科 医長 富田康弘 先生

日本では肥満人口が増加しており、肥満に合併しておこる睡眠時無呼吸症候群も近年増加傾向にあります。また、睡眠医療は専門的な知識が求められ、専門医療機関へのアクセスが重要です。虎の門病院 睡眠呼吸器科 医長の富田先生は、以前よりYaDocを用いた睡眠専門医へのオンライン相談サービスを実施されていました。

今回は、睡眠医療に対する課題意識や、より多くの方に睡眠医療を届けるために始められたYaDocを用いたオンライン診療という新しい取り組み、将来の展望などについて富田先生にお話を伺いました。

ーまず、今回先生が新たに始められた取り組みを教えていただけますか?

今回の取り組みの話をする前に、睡眠医療の現状の話をしたいと思います。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり弱まったりして体内の酸素が不足し睡眠を妨げる病気です。定義にもよりますが、男性の10~20%程度、50歳代の女性では10%弱の方がこの病気を有していると考えられています。(※)

身近な病気である一方、日中の眠気のみならず、高血圧や糖尿病、心臓の病気などの発症にもつながる可能性があるため、早期に適切な治療を受けることが重要です。しかしながら、睡眠時無呼吸症候群の診断には入院検査が必要であるため、患者さんにとって専門医療機関の受診はハードルが高いと考えていました。

そこで、受診のハードルを下げる取り組みとして、YaDocを用いた初診オンライン診療の取り組みを開始しました。

(※日本呼吸器学会 睡眠時無呼吸症候群の診療ガイドライン2020より)

この取り組みは、かかりつけ医を受診して睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると判断された患者さんに、オンライン診療で当院の初診を受けてもらうというものです。初診をオンラインにすることでハードルを下げ、気軽に受診していただければと考えています。

初診のオンライン診療実施後、必要に応じて来院していただき、検査を行って睡眠時無呼吸症候群の診断がついたら、その後はかかりつけ医のもとで治療を継続していただくようにしています。

ー具体的には、どのような流れで運用されているのでしょうか?

まず、患者さんはかかりつけの医療機関を受診し、診察を受けます。睡眠時無呼吸症候群が疑われ、精密検査が必要だと判断された場合に紹介状を書いてもらいます。次に患者さんが当院のオンライン診療を予約することになるのですが、その方法は2つのケースがあります。

1つは、かかりつけ医が当院のオンライン診療を紹介し、手順書を患者さんにお渡しし、当院に紹介状をFAXしてくださるようなケースです。もう1つは、紹介状を受け取った患者さんが当院のホームページを見てオンライン診療を実施していることを認知し、コンタクトしてきてくださるケースです。

どちらのケースであっても、診察前には眠気・いびきなどの自覚症状、飲酒や喫煙などの生活歴、既往歴や投薬状況などの問診項目について、YaDocを通じて回答していただくようにしています。

睡眠時無呼吸症候群の検査ができる医療機関を探しているかかりつけ医は多いと感じており、そのような先生方には、お気軽にご相談いただきたいと考えています。お世話になっている開業の先生方へ本取り組みをご紹介しており、パンフレットや手順書を医院に置いてくださるなど皆さん活用してくださっています。

ーこれまで運用されてきたYaDocを使った『睡眠専門医へのオンライン相談サービス』と今回のオンライン診療の運用構築において、それぞれどのような点を工夫されましたか?

これまで運用していたオンライン相談サービスは、睡眠時無呼吸モニター(アプノモニター)検査結果の説明を受けるためのオンラインサービスです。特に当院で睡眠呼吸器科以外の診療科に通院されている患者さんが、検査を受けた際にご利用いただくことを想定しています。(参考:前回のインタビュー

検査結果のレポートには睡眠時無呼吸症候群の疑いの程度をもとに、次のステップをフローチャートで提案しておりますが、患者さんがお困りの症状に応じて実際の対応は異なります。検査結果をもとに外来を受診する代わりにオンライン相談を利用することも可能ですが、外来を受診すべきかどうか迷っている方にも活用していただきたいと考えています。レポートにはQRコードを載せており、そのQRコードからYaDocを登録し、スムーズに相談予約をしていただけるサービスになっています。これは言わば院内の診療科間連携ということになります。そして、今回のオンライン診療の取り組みはかかりつけ医と当院をつなぐ、病診連携ということになります。

運用構築の際には、いかにして院内の関係者を巻き込むかを意識しました。幸い、事務部長がオンライン診療を含めた新しい取り組みに興味をもってくれていたため、院内でワーキンググループを作り、関連部署から人を集めて話し合う場をスムーズに作ることができました。我々のような大きい病院では、本当に多くの人が患者さんに関わります。保険証や診察券番号などを管理する部署や、医療連携、会計を担当する部署などに対して、実現したいことを丁寧に説明し、どのように運用すればいいのか、みんなで意見を出し合ってひとつひとつ決めていきました。

また、実際に運用を開始すると、医師が診察を行う場所が不足しているといった問題点も明らかになりました。多くの人が関わる組織の中で効率よいフローを作るのは大変でした。これからも実施する中で改善していきたいと思っています。

余談ですが、今回ワーキンググループで話し合った結果、今後、別の診療科が同じようにオンラインの取り組みをしたいと考えた際に必要となる申請フローまで整備することができました。今後オンラインは広まっていくと思いますので、その礎を作れたのは、今振り返ると有意義なことだったなと思います。

ー先生がオンラインを使ったサービスを考えた際、YaDocを選んだ理由はなんだったのでしょうか?

はじめにインテグリティ・ヘルスケアさんと知り合ったのは、長崎県でYaDocを用いて先駆的な睡眠医療を行っている井上病院の吉嶺裕之先生からのご紹介でした。学会で担当者さんとお会いし、オンライン診療について話し合う機会をいただいてからのお付き合いになります。

システムの導入にあたっては、他社のサービスも比較検討したので、オンライン診療に関する様々な取り組みを知る良い機会になりました。YaDocには、患者さんに対して尋ねたい問診を自由にカスタムできたり、QRコードを用いた簡便な患者登録ができたりといった機能があり、そこが決め手になりました。

運用の相談や診療報酬についての情報提供など、細やかなサポートにも満足しています。

ー取り組みを開始しての感想や、今後の展望についてお聞かせください。

オンラインのサービスを実施した後、患者さんにアンケートを実施しました。オンライン診療を受けた患者さんは、概ね今後も利用したいと言ってくださっています。まず1回体験していただくことで、その価値を感じられるのだと思っています。

YaDocの使い勝手についても満足していただいており、いいサービスが構築できたなと感じています。

一方で、オンライン一辺倒では良くない点もあると感じています。適切に対面診療を組み合わせて、診療の質を上げていきたいです。

現在はオンライン相談・オンライン診療が主軸ですが、日々の睡眠をアプリ上で記録してもらい、その情報をもとに患者さんにフィードバックしながら治療をしていくという取り組みも、睡眠医療と親和性が高いと考えています。患者さんの日々の状況を見える化し、医師患者双方が情報を共有しながら治療に向き合っていけるようになるといいなと思っています。

問診などで患者さんの様々な情報を記録できることもYaDocの魅力と感じているので、今後もインテグリティ・ヘルスケアさんと一緒に睡眠医療の発展に向けた取り組みができればと考えています。

YaDocを用いて多様な取り組みをされている富田先生からお話を伺いました。 今後も、富田先生のご活動を発信できればと思います。 富田先生、本日はありがとうございました。

YaDocの導入、および臨床における利用は、各医療機関の医師の判断によるものです。

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